「瀬戸内の夕陽を眺める家」プロジェクトスタート…のはずが…

2か月くらい前から、海を眺める家を建てる、というプロジェクトがスタートしました。まずはそれにふさわしい土地から探していたところ松山市某所の高台に、まさにうってつけの土地が見つかりました。「よし!ここで話をすすめよう!」ということになり、先ずはラフプランを元に予算を立てて早速融資の審査に入りました。昨今の建築費の高騰により希望額満額の融資は難しいという結果でしたが、融資の範囲内で進めようと融資の仮承認も通り、いよいよ、土地の購入申し込み、という段階で、時を同じくして別の建築業者様からも、同じ土地でほぼ同時に購入申し込みが出るという事態に!!
そして、予定地のお隣に住む土地の売主様が両者面談の上、どちらに売るか決める!というあまり遭遇したことのない事態になりました。そのうえ、お隣さんになる、ということもあり、売主様の家の日当たりなどを考慮して頂ける方にお売りします。という完全に売り手主導というこれまた稀有な事態に!
しかし、そこは、ある程度配慮した家を、計画段階から売主様と相談しながら計画します、という事を伝え、我々の方に売ってくださる事になったのです。それはそれはクライアント様も喜びました。土地が広いので北側を境界から3mくらいあけた配置で、出来る限り売主様の日当たりに配慮し、日影計算図も作成して、先日、売主様に報告に上がりました。
ところがです。資料を見た売主様は、「これでは自宅に影が出来る!」というので「ある程度は仕方ないですよ」というと、「南西の角いっぱいまでよせろ」という。まあ、海は西側で、西に開く家の計画なので南側からの日当たりについてはあまり重視されてないクライアント様ではあったのですが、その配置にすると、希望の台数の車がおけなくなってしまいます。道路付きの関係上北側を開けても車は入れられないので全く無駄な広大な庭が北側に出来るといういびつな配置に、さすがに「車がおけなくなるので、これ以上南に詰めた配置は無理です」とつたえると、「近くに月極駐車場があるからそこを使え」などと言い出す始末。イライラしながらも、「そのまで条件を飲むのであれば、それなりの値引きなどには応じていただけますか?」と聞くと「50万なら」というふざけた返事。
そのうえ、今度は仮とはいえ作成したプランに関しても、これはこうした方がいい、ああした方がいいなどとケチまでつけ始め、さすがに怒りが爆発して「あんたの家じゃないやろ!!」と喉元まで出かけましたが、そこはなんとか言葉を飲み込みました。
そして、その場は「とりあえず持ち帰って、クライアント様と相談します」と必死で怒りを抑えながらその場を後にしました。そのあとすぐにクライアント様に報告。案の定クライアント様も怒り爆発!一発キャンセル!あたりまえですよね。
長年この仕事をしていますが、こんなことは初めてです。
また土地探しからやり直しです。